2016年12月16日

育成補償費(TC)の請求期間が切れる選手たちに注目したいお年頃


安西幸輝選手が松本へ断りを入れたことが話題になっています。
この移籍話で話題になったのが育成費ですが、今回はその金額ではなく期限について取り上げたいと思います。



※誕生日の記述について
誕生日記述をごめんなさい、うっかり変な形式で書いてしまいまして……

日/月/年

となってます。よろしくお願いします。









育成費ことトレーニングコンセンペーションには請求期限があります。JFAの資料“プロサッカー選手の契約、登録及び移籍に関する規則” 元のPDFはこちら
から引用を引いてみましょう。

7-3「トレーニングコンペンセーション」の請求権
下記に定める期日までに移籍が行われる場合に限り、移籍元クラブは、移籍先クラブに対し、
「トレーニングコンペンセーション」を請求することができる。
・当該選手の満23歳の1月31日の直前の1月1日


ここで重要なポイントは、請求権の期限が1月1日までということなのです。なぜか。
日本の場合、契約期間が1月31日までということが多いことはJPFA、日本サッカー選手会がリポートしています。
参考リンクがこちら
ということは、契約切れの場合の移籍が発生する日付は2月1日ということになりますので、TC期限である1月1日以降を過ぎてしまいます。
登録期間の問題も取り上げましょう。今年のJリーグの移籍登録期間が先日発表されました。
そのプレスリリースがこちら

■2017登録期間(ウインドー)

第1登録期間(ウインドー)
2017年1月6日(金)~3月31日(金)
第2登録期間(ウインドー)
2017年7月21日(金)~8月18日(金)


結局1月1日までの移籍はもうないじゃん!
ということで現在23歳、もしくは来年1月に23歳になる選手に関しては大変お買い得、また来年2月1日から再来年1月31日までに23歳になる選手に関しては今が売り時という形になります。

この微妙な境目を巧みに利用したのが東京ヴェルディの鈴木惇獲得でした。89年生まれの鈴木惇選手は2012年に23歳になり、2012~2013オフ間に東京ヴェルディへ移籍。
アビスパ福岡に下部組織から一筋、前年も34試合出場の鈴木惇選手の獲得は衝撃的でした。
当時既に育成費を移籍金として活用していたヴェルディですので、やはり育成費はどうなったのかと。
その際、この文面が脚光を浴びたわけですね。
つまり前年までに移籍していれば2700万円のところ、期間的にはゼロ円ではないかと。
たった1年の違いで最大5000万がゼロ円になる。この境目の年こそ、各クラブは狙い目なんです。

昨シーズン、93年生まれの選手のうち3人の選手が移籍しました。
・遠藤航(湘南→浦和) 9/2/1993
・為田大貴(大分→福岡) 24/8/1993
・奈良竜樹(札幌→川崎) 19/9/1993

すでに今オフにも、93年生まれの選手で移籍を果たした選手もいますね。
・山中亮輔(柏→横浜FM) 20/4/1993

1993年生まれで出場機会を求めたい選手にとっては待ちに待った完全移籍の大きな機会がやってきたのです。
また1994年生まれの主軸選手が居る場合は、売り抜けるかどうかの非常に難しい判断を迫られる年です。

では、1993年生まれで、これまでなら育成補償金が発生するはずだったけど期限が切れるので獲得できそうだよ、という選手を列挙してみましょう。

なお、大事なことですが契約が残ってたら移籍補償金は必要ですからね!



・幸野志有人(FC東京※山口へ期限付き移籍中) 4/5/1993

4度の期限付き移籍を経験した流浪の人も育成金期間をついに終了。
満了の場合はゼロ円ということになりますが、これまでの流浪期間をどう考えているのか、というところは気になります。
FC東京もセンターハーフを探している状況ですので、出場機会有り、と判断するかもうこれ以上はちょっと、となるのか。
橋本選手も期限切れですが、手術明けですので外しています。


・南秀仁(東京V) 5/5/1993
・杉本竜士(東京V)
 1/6/1993


同じく東京のチームでは将来を嘱望された2人が期限切れ。
既に南選手に関しては山形への移籍が濃厚と、育成金の重みを感じる展開となっています。


・熊谷アンドリュー(横浜FM※金沢へ期限付移籍中) 6/6/1993

ご近所横浜・F・マリノスで言えば熊谷が期限切れ。希少なサイズのある中盤の選手ということもあり、横浜から出るということになれば争奪戦が予想される選手ですね。
2度期限付き移籍を経ていることがどう影響するか。


・矢島慎也(浦和) 18/1/1994

浦和がチームに戻したい意向を持っているという報道があった矢島選手。
しかし、今シーズンもラファエル・シルバ選手を獲得するなど多数の選手を抱える浦和で出場機会を得るのは並大抵のことではありません。
下部組織育ちのスター候補生を浦和が手放すとは考えにくいのですが、一方でなんとTCの請求期限が切れることに。
契約満了の時ならゼロ円で移籍できるようになったことで状況は突如流動的に。
ガンバ大阪から期限付きまで含めた獲得の動きがやってくることも当然の状況。
果たして浦和は将来のチームの顔を守れるのでしょうか。


・高橋祐治(京都) 11/4/1993
・杉本大地(京都※徳島へ期限付移籍中) 15/7/1993


讃岐では右サイドバックで主軸を張った長身のディフェンダー。
今シーズンは13試合で先発となんとも言いがたい出場歴。
菅野、清水の壁が高いリオ五輪バックアップメンバー杉本も注目株の1人となりそうです。


・小野瀬康介(横浜FC) 22/4/1993

横浜FCが大事に育ててきたアタッカー。
しかし今シーズンは前半戦こそレギュラーでしたが、後半戦から先発出場が激減。
契約更新は確認したところまだ。去就が気になります


・内田航平(水戸) 19/5/1993

高卒選手でももちろん育成金は19、20、21のシーズンで計算されます。
水戸の内田選手は今年で期限切れ。左利きで今シーズンは左サイドバックも経験している、ユーテリティとしても扱える注目株です。


・伊東幸敏(鹿島) 3/9/1993

高卒でも育成補償費がある、ということは当然注目を浴びることになるのが伊東選手。
西選手の壁を越えそうで越えきれないままついに5年が経過してしまいました。
鹿島側は西選手の後継者として期待しているはずですが、バトンタッチのタイミングがさらに遅れそうならば、動く可能性も少しは出てくるかもしれません。


・犬飼智也(清水) 12/5/1993
・白崎凌兵(清水) 18/5/1993



高卒もユースも期限切れを抱えるのが清水。
両名とも主軸級ですので、試合出場を求めてということはなさそうですが、引き抜くという場合のハードルはぐぐっと下がったとみて良いでしょう。


・櫛引一紀(札幌) 12/2/1993

名古屋への期限付き移籍報道が出ていましたね。
北海道出身ですので愛着もあるはずですし、そうそう札幌を綺麗に離れるということは決断はできないということでしょう。




続いて、1994年生まれの選手を特集したいと思います。
上位チームにとってはうっかりゼロ円移籍による流出を如何に防ぐか。
下位クラブにとっては戦力を取るか、利益を取るかの分水嶺となる選手たちですね。


・野津田岳人(広島) 6/6/1994

複数チームから期限付き移籍でのオファーが舞い込んでいるという報道がありますが、来年には育成補償金の期間が終わります。
期限付き移籍を認めるのか、認めるならば完全移籍を防ぐのかどうか。単なるレンタル移籍の処理に留まらない判断が求められそうです。


・鈴木椋大(横浜FM※東京Vへ期限付移籍中) 10/2/1994
・喜田拓也(横浜FM) 23/8/1994


鈴木選手は熊谷選手と同じタイミングの昇格でしたが、早生まれのためまだ期間内。
ガンバ大阪への移籍話が報道されましたが、お金を取るとしたらこのタイミングなのは確かです。
喜田選手は今シーズン主軸に定着。
将来のチームの顔として期待したい選手でしょうし、将来のゼロ円移籍を防ぐタイミングだと思います。


・中川寛斗(柏) 3/11/1994
・小林祐介(柏) 23/10/1994
・秋野央樹(柏) 08/10/1994
・木村裕(柏※長崎へ期限付移籍中) 3/6/1994


ひっそりと1994年組が黄金世代である柏。
長崎に期限付き移籍中の木村選手はともかく、柏に現在在籍中の3人は既に出場機会を得ている選手たち。
山中選手が今オフ早々に移籍してしまったことを考えると、出場機会が減った段階で引き抜きがくる可能性は否定できません。
期限切れに対応した契約交渉が求められる状況です。
なお、最も重要と思われる中村選手は95年の2月生まれですので、23歳になるのが2018年。
まだまだ、先の話になりますね。


・岩波拓也(神戸) 18/6/1994
・前田凌佑(神戸) 27/4/1994
・松村亮(神戸)  15/6/1994


柏と同じく1994年世代に逸材を多数抱える神戸。
岩波選手に移籍話が出てきたのは、この切れ目の部分なので神戸が受ける可能性があるのでは、というところもあったのではないでしょうか。
資金力のあるクラブですので、引きとめには苦しまないとは思いますが、一方出場機会をあまり多く得ていない前田と松村の両選手の扱いをどうするかが課題です。


・野澤英之(FC東京) 15/8/1994

無慈悲世代とも称された94ジャパンのセンターハーフもいよいよ期限切れが迫る年齢に。
ここまでJ1での通算出場数は5試合。J3を昨シーズンは主戦場にしたものの、来シーズンもセンターハーフを探しているということで出場機会が訪れるかは不透明。
契約期間の関係によっては、希少なサイズのあるセンターハーフということもあり争奪戦もありえる逸材。
FC東京がどのように扱うのか注目です。


・植田直通(鹿島) 24/10/1994
・豊川雄太(鹿島※岡山へ期限付移籍中) 9/9/1994


大津高コンビもいよいよ5年目。代表入りも果たした植田選手は引き抜き対策。
一方岡山での期限付き移籍で名を上げた豊川選手は、今期大型補強を鹿島が敢行するとあって出場機会を確保できるかどうか不透明な状況。
今シーズンJ2で途中出場メインながら10ゴールを記録した俊英の去就は大きな注目を集めることでしょう。


・石毛秀樹(清水) 21/9/1994

1994ジャパンといえば忘れてはいけない石毛選手。
アジア年間最優秀若手選手の栄誉に与った有望株も気づけばもうこんな年齢。
今シーズンは出場時間数も大幅増、来シーズンは勝負の年でしょう。
チームにとっても下部組織出身の宝石をチームの顔に仕上げられるかどうかの大事な1年となるのではないでしょうか。


・牲川歩見(磐田※鳥栖へ期限付移籍中) 12/5/1994
・川田修平(大宮※栃木へ期限付移籍中) 5/4/1994
・山田元気(京都) 16/12/1994


五輪代表ゴールキーパーの牲川選手も出場機会なく5年目を迎えます。
期限付き移籍をしている間に磐田では志村選手が台頭。今オフからその去就に注目です。
ユース世代から注目されていた選手としては川田選手の去就にも注目ですね。


・秋山大地(C大阪) 28/7/1994

愛媛でそれなりの経験を積んで帰還したものの、J2での出場は少ない結果に。
来シーズン次第では、J2勢の注目を浴びる存在になる可能性があると考えています。


・川口尚紀(新潟) 24/5/1994

清水への期限付き移籍からの帰還が発表されました。松原選手の流出劇を繰りかえさないために。
新潟が川口選手をプロテクトできるかは、フロントの力量を測る試金石になるのではないでしょうか。


・堀米悠斗(札幌) 9/9/1994
・中原彰吾(札幌) 22/5/1994
・永坂勇人(札幌) 19/5/1994


堀米選手の新潟移籍話が流れていますが、育成金のことを考えれば売り時と言えるでしょうか。
この辺はシビアに移籍金勘定をしてきているチームだけに抜かりを感じないですね。
一方、中原、永坂の両選手がなかなか試合に出れていません。
来オフ、どうするかの処遇を決めるかとは思いますが、少し気になりますね。


・金森健志(福岡) 4/4/1994
・三島勇太(福岡) 10/5/1994



金森選手が最終年ということで、鹿島への移籍話が出てくるのも自然なことでしょうね。
一方、1年目2年目に出場機会を得ていた三島選手ですがここ2年出場時間が激減。
亀川選手の去就次第もあるかとは思いますが、何らかの動きが見られるかもしれませんね。


・渋谷飛翔(横浜FC) 27/1/1995

ぎりぎりで来シーズン期限を迎えてしまう渋谷選手には名古屋からの勧誘が。
南選手の後継として大事に育ててきた俊英を易々と売る決断というのはできないとは思いますが……


・井出遥也(千葉) 25/3/1994

期限を迎える1年前になってガンバ大阪からのオファーが届くことに。
経営判断、将来の顔としての価値など様々な思いが飛び交う中で選手自身もどう判断するのか注目ですね。


ポープ・ウィリアム(東京V※岐阜に期限付移籍中) 21/10/1994
・安在和樹(東京V) 7/8/1994


(静かに頭を抱える)

来シーズンは、U-17ワールドカップで名を上げた1994年世代が解禁ということで大変人材豊富です。
さらに来シーズンから分配金、賞金が上がることから上位チームの若手が出場機会確保へ動き、また売る側のチームの若手は買われていく活発な市場がやってくる可能性が高いです。
そのため、このオフは「戦力を取るか」「利益確保に動くか」「ゼロ円を防ぐためには」と戦略面で頭を悩ませるフロントが増えることも想定されます。
あなたのチームのフロントはどう動くでしょうか?ひとまず私は安在どうするのかでしばらくやきもきする日々が待っていそうです。

そして最後に。

こういうの雑誌の企画でやってほしいなぁ!






posted by 鍵銛右京 at 18:54| Comment(0) | 多分サッカー | 更新情報をチェックする
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